Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2009年 10月号 [雑誌] (雑誌)
出版社/著者からの内容紹介
【第1特集】
論語の経営学
孔子に学ぶ「リーダーシップを磨く」法
マネジャーの『論語』入門
中国文学者 SBI大学院大学 教授
守屋洋
部下を持つ立場になると、経験に頼るだけでは対応しきれない。かつて日本企業のマネジャーたちは、自分の経験を照らし合わせて『論語』の説くところに人間の言動の原理原則を学び、指針とした。それだけ『論語』には、血となり肉となる記述が多いのである。孔子による「自分を磨く方法」は、現代のマネジメントに通用する。『論語』を貫く仁・智・勇・礼・義・信・寛という教えはリーダーの志を教示するものである。これらを積み重ねて初めて信頼が得られるのだ。
マネジャーの現場力を鍛える
声に出して読みたい『論語』10選
明治大学 文学部 教授
齋藤 孝
言語を声に出して読むことで、その言語の持つ身体性を再生することができる。『声に出して読みたい日本語』で、昨今の音読ブームを牽引してきた著者の主張だ。『論語』の言葉の数々は、孔子が弟子に向けて語ったものであり、その意味を身体でとらえるには、素読を繰り返すことが欠かせない。さらに、論語を自分の言葉をして使いこなそうとするならば、ビジネスシーンに合わせて具体的な章句を引用できるようにしたい。「自主性のない部下に困っている」「仕事はできるが横柄な態度の部下を注意したい」「上層部が現場の改革案に否定的である」「転職すべきか否か悩んでいる」など、マネジャーが日常的に遭遇する場面で、役に立つ章句を紹介する。
道徳と経済の一致
【抄録】渋沢栄一の『論語と算盤』
実業家
渋沢栄一
[解説]
三井文庫 文庫長
由井常彦
明治・大正期、「日本資本主義の最高指導者」といわれた渋沢栄一は、私利を追わずひたすら公益を追求し、事業に成功しても、資本家による富の独占を許さず、「資本家の代表」とはならなかった。渋沢の生き方を支えたのが『論語』である。渋沢は、第一国立銀行創設をはじめ、東京電力、王子製紙、日本郵船など、日本近代産業のあらゆる分野の企業・団体の創設に関わり、『論語』に基づく「道徳と経済の一致」を指針とした実業の成功を実践してみせた。渋沢版『論語』を抄録し、近代日本経営史の大家、由井常彦氏が渋沢の事業観、利益観、メンタリティを解説する。
リーダーの資質と条件
私が『論語』に学んだこと
元内閣総理大臣
中曽根康弘
1982年から4年11カ月にわたって内閣総理大臣の位に就き、行政改革や外交政策などに多くの業績を残した中曽根氏。退任後の89年に行われたHBR誌のインタビューでは、リーダーとして歴史に学ぶ重要性を指摘しているが、特に『論語』については、東洋的道徳律と共に、無意識のうちにリーダーとしての素養を学んだと述懐する。自身の政治家としての歴史を振り返ってみても、知らず知らずのうちに、孔子の言葉の影響を受けていたことが少なくないという。『論語』を含む古典や歴史を学ぶことは、リーダー育成にどのような意味を持つのか。リーダーに求められる条件と、今後のリーダー論を語ってもらった。
孔子の生き様、言葉の字義を洞察する
『論語』の世界
編集工学研究所 所長
松岡正剛
『論語』の注釈書は、数百に上ると言われる。この書の解釈は、読み手によって実にさまざまなのである。蔵書六万冊、古今東西の本千冊余の読書案内サイト『千夜千冊』で、博覧強記ぶりを披瀝した松岡正剛氏は、孔子に学ぶことと『論語』を読むことは異なると言う。その意味するところは、江戸時代の儒学者・伊藤仁斎、中国文化史の碩学・吉川幸次郎氏、そして、松岡氏が、その思想・学問に私淑する白川静氏の『論語』の読み方、世界観から学ぶことができる。彼ら達人による、新たな論語論、孔子論は、我々がいま直面する問題に大事な示唆を与えてくれる。
孔門十哲の君子学
孔子と弟子たちの問答の読み方
日本女子大学 人間社会学部 准教授
三田明弘
『論語』の魅力は、孔子の教えや儒教の教条を羅列した経典としての興味深さだけにあるのではない。絶対概念としての「君子」という理想型を求める孔子と、君子の片鱗を示すために明確に差別化された個性を持つ弟子たちとが繰り広げる人間ドラマとしてのおもしろさをも秘めている。さまざまな登場人物の言葉や行動のなかに、読者は自分の姿を見つけることだろう。それゆえ、孔子と弟子たちとの間で交わされる問答は、生きた言葉として、現代に生きる我々の心に響く教訓に満ちているのである。
【第2特集】
脳科学とビジネス
神経科学が教える「認知適応性」の訓練法
脳は死ぬまで鍛えられる
エモリー大学 医学部 教授 ロデリック W. ギルキー
エモリー大学 医学部 教授 クリント D. キルツ
ここ最近の脳科学研究の成果のなかで、とりわけ朗報といえるのは、「年齢と共に、脳も老化するわけではない」という発見ではなかろうか。そのためには、「認知適応性」と呼ばれる脳力を強化する必要がある。すなわち、脳を鍛えるような生活態度や習慣を積極的に取り入れて、推論、記憶、学習、計画、適応といった能力を最適化するのである。たとえば、ミラー・ニューロンを活性化するために三現主義を実践する。脳を喜ばせるために、一生懸命に遊び学ぶ。左脳のパターン認識力を鍛えるために認知訓練を励行する。右脳の力を高めるために、新しいことにチャレンジする等々――。現在のみならず、第2の人生に備えるうえでも、認知適応性の向上に励むことが重要である。
未発達であり、応用範囲は限られる
脳科学はまだ進行形である
ワシントン大学 医学部 客員教授
ジョン J.メディナ
脳科学ブームが再び訪れている。脳の発達に関係する遺伝子を研究している分子生物学者のジョン J. メディナは、「脳科学はたしかに進歩したとはいえ、いささか過大に喧伝されており、ビジネスに適用できると考えるのは時期尚早である」と釘を差す。とはいえ、脳へのストレスと生産性の相関性、記憶の脳内リハーサルの意味、有酸素運動と脳の健康の関係にまつわる知見などは、すでに十分役に立つものであり、積極的に活用すべきであるとも言う。
【再掲】最新研究が教える「無意識」の力 脳の意思決定メカニズム HBR シニア・エディター ガーディナー・モース
優れた意思決定は理性と知性、論理の産物と思われている。しかし、脳のメカニズムに関するさまざまな調査から、このような常識的な考え方に疑問が呈されている。まず脳は、理性だけで正しい判断を下せない。その逆もしかり。脳は、過去の経験に引きずられ、合理的に判断できない。脳は、論理を超えた意思決定を導く等々――。意思決定は、能力のみならず感情にも左右されているのである。
脳科学の知見を生かす
嘘偽りのないスピーチの秘訣
パブリック・ワーズ 設立者
ニック・モーガン
脳科学の研究によると、表情やしぐさ、身振りや手振りなどの動作は、口から発せられる言葉より先に現れ、時には次の思考や言葉を示唆するという。しかも、相手はこのような非言語メッセージはすぐさまキャッチし、その真意を読み取ってしまうことがわかっている。この脳科学の知見を知らぬまま、従来の方法によって、すなわちスピーチ原稿に合わせてジェスチャーを練習すると、かえって作為的に見えてしまい、聞き手や聴衆にそっぽを向かれる。また、過信して即興でプレゼンテーションに臨むと、非言語メッセージをうまく発信できず、準備不足の印象を与えてしまう。
この雑誌について
意思決定者のためのマネジメント総合誌
【第1特集】
論語の経営学
孔子に学ぶ「リーダーシップを磨く」法
マネジャーの『論語』入門
中国文学者 SBI大学院大学 教授
守屋洋
部下を持つ立場になると、経験に頼るだけでは対応しきれない。かつて日本企業のマネジャーたちは、自分の経験を照らし合わせて『論語』の説くところに人間の言動の原理原則を学び、指針とした。それだけ『論語』には、血となり肉となる記述が多いのである。孔子による「自分を磨く方法」は、現代のマネジメントに通用する。『論語』を貫く仁・智・勇・礼・義・信・寛という教えはリーダーの志を教示するものである。これらを積み重ねて初めて信頼が得られるのだ。
マネジャーの現場力を鍛える
声に出して読みたい『論語』10選
明治大学 文学部 教授
齋藤 孝
言語を声に出して読むことで、その言語の持つ身体性を再生することができる。『声に出して読みたい日本語』で、昨今の音読ブームを牽引してきた著者の主張だ。『論語』の言葉の数々は、孔子が弟子に向けて語ったものであり、その意味を身体でとらえるには、素読を繰り返すことが欠かせない。さらに、論語を自分の言葉をして使いこなそうとするならば、ビジネスシーンに合わせて具体的な章句を引用できるようにしたい。「自主性のない部下に困っている」「仕事はできるが横柄な態度の部下を注意したい」「上層部が現場の改革案に否定的である」「転職すべきか否か悩んでいる」など、マネジャーが日常的に遭遇する場面で、役に立つ章句を紹介する。
道徳と経済の一致
【抄録】渋沢栄一の『論語と算盤』
実業家
渋沢栄一
[解説]
三井文庫 文庫長
由井常彦
明治・大正期、「日本資本主義の最高指導者」といわれた渋沢栄一は、私利を追わずひたすら公益を追求し、事業に成功しても、資本家による富の独占を許さず、「資本家の代表」とはならなかった。渋沢の生き方を支えたのが『論語』である。渋沢は、第一国立銀行創設をはじめ、東京電力、王子製紙、日本郵船など、日本近代産業のあらゆる分野の企業・団体の創設に関わり、『論語』に基づく「道徳と経済の一致」を指針とした実業の成功を実践してみせた。渋沢版『論語』を抄録し、近代日本経営史の大家、由井常彦氏が渋沢の事業観、利益観、メンタリティを解説する。
リーダーの資質と条件
私が『論語』に学んだこと
元内閣総理大臣
中曽根康弘
1982年から4年11カ月にわたって内閣総理大臣の位に就き、行政改革や外交政策などに多くの業績を残した中曽根氏。退任後の89年に行われたHBR誌のインタビューでは、リーダーとして歴史に学ぶ重要性を指摘しているが、特に『論語』については、東洋的道徳律と共に、無意識のうちにリーダーとしての素養を学んだと述懐する。自身の政治家としての歴史を振り返ってみても、知らず知らずのうちに、孔子の言葉の影響を受けていたことが少なくないという。『論語』を含む古典や歴史を学ぶことは、リーダー育成にどのような意味を持つのか。リーダーに求められる条件と、今後のリーダー論を語ってもらった。
孔子の生き様、言葉の字義を洞察する
『論語』の世界
編集工学研究所 所長
松岡正剛
『論語』の注釈書は、数百に上ると言われる。この書の解釈は、読み手によって実にさまざまなのである。蔵書六万冊、古今東西の本千冊余の読書案内サイト『千夜千冊』で、博覧強記ぶりを披瀝した松岡正剛氏は、孔子に学ぶことと『論語』を読むことは異なると言う。その意味するところは、江戸時代の儒学者・伊藤仁斎、中国文化史の碩学・吉川幸次郎氏、そして、松岡氏が、その思想・学問に私淑する白川静氏の『論語』の読み方、世界観から学ぶことができる。彼ら達人による、新たな論語論、孔子論は、我々がいま直面する問題に大事な示唆を与えてくれる。
孔門十哲の君子学
孔子と弟子たちの問答の読み方
日本女子大学 人間社会学部 准教授
三田明弘
『論語』の魅力は、孔子の教えや儒教の教条を羅列した経典としての興味深さだけにあるのではない。絶対概念としての「君子」という理想型を求める孔子と、君子の片鱗を示すために明確に差別化された個性を持つ弟子たちとが繰り広げる人間ドラマとしてのおもしろさをも秘めている。さまざまな登場人物の言葉や行動のなかに、読者は自分の姿を見つけることだろう。それゆえ、孔子と弟子たちとの間で交わされる問答は、生きた言葉として、現代に生きる我々の心に響く教訓に満ちているのである。
【第2特集】
脳科学とビジネス
神経科学が教える「認知適応性」の訓練法
脳は死ぬまで鍛えられる
エモリー大学 医学部 教授 ロデリック W. ギルキー
エモリー大学 医学部 教授 クリント D. キルツ
ここ最近の脳科学研究の成果のなかで、とりわけ朗報といえるのは、「年齢と共に、脳も老化するわけではない」という発見ではなかろうか。そのためには、「認知適応性」と呼ばれる脳力を強化する必要がある。すなわち、脳を鍛えるような生活態度や習慣を積極的に取り入れて、推論、記憶、学習、計画、適応といった能力を最適化するのである。たとえば、ミラー・ニューロンを活性化するために三現主義を実践する。脳を喜ばせるために、一生懸命に遊び学ぶ。左脳のパターン認識力を鍛えるために認知訓練を励行する。右脳の力を高めるために、新しいことにチャレンジする等々――。現在のみならず、第2の人生に備えるうえでも、認知適応性の向上に励むことが重要である。
未発達であり、応用範囲は限られる
脳科学はまだ進行形である
ワシントン大学 医学部 客員教授
ジョン J.メディナ
脳科学ブームが再び訪れている。脳の発達に関係する遺伝子を研究している分子生物学者のジョン J. メディナは、「脳科学はたしかに進歩したとはいえ、いささか過大に喧伝されており、ビジネスに適用できると考えるのは時期尚早である」と釘を差す。とはいえ、脳へのストレスと生産性の相関性、記憶の脳内リハーサルの意味、有酸素運動と脳の健康の関係にまつわる知見などは、すでに十分役に立つものであり、積極的に活用すべきであるとも言う。
【再掲】最新研究が教える「無意識」の力 脳の意思決定メカニズム HBR シニア・エディター ガーディナー・モース
優れた意思決定は理性と知性、論理の産物と思われている。しかし、脳のメカニズムに関するさまざまな調査から、このような常識的な考え方に疑問が呈されている。まず脳は、理性だけで正しい判断を下せない。その逆もしかり。脳は、過去の経験に引きずられ、合理的に判断できない。脳は、論理を超えた意思決定を導く等々――。意思決定は、能力のみならず感情にも左右されているのである。
脳科学の知見を生かす
嘘偽りのないスピーチの秘訣
パブリック・ワーズ 設立者
ニック・モーガン
脳科学の研究によると、表情やしぐさ、身振りや手振りなどの動作は、口から発せられる言葉より先に現れ、時には次の思考や言葉を示唆するという。しかも、相手はこのような非言語メッセージはすぐさまキャッチし、その真意を読み取ってしまうことがわかっている。この脳科学の知見を知らぬまま、従来の方法によって、すなわちスピーチ原稿に合わせてジェスチャーを練習すると、かえって作為的に見えてしまい、聞き手や聴衆にそっぽを向かれる。また、過信して即興でプレゼンテーションに臨むと、非言語メッセージをうまく発信できず、準備不足の印象を与えてしまう。
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意思決定者のためのマネジメント総合誌
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